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SEMINAR REPORT

INFORMATION & SEMINAR REPORT

開催されたセミナーの詳細をお知らせします

『第2回 例会』レポート更新しました。

 2012年10月7日。大和ハウス東京ビル2階の会場にて、『第二回MID-G例会』が行われました。今回のテーマは、『保存・補綴の治療予後をマネジメントする』ということで、三人の講師の方々にお越し頂き、講演して頂きました。三公演とも非常に内容の濃いもので、参加者たちも引き込まれた様子でした。

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 このセミナーのトップバッターは、青島デンタルオフィスの院長である青島徹児先生に務めて頂きました。テーマは、「Tri-laminar Technique(三層構造充填のテクニック)」。三層構造充填の基本的な直接接合の手術方法から、術前と術後、それぞれの経過を表した写真などを用いて、成功例、失敗例などをお話頂きました。また、充填によって形成された歯が、どれくらいの間持つのかということに関しても、いくつか症例を挙げて説明いただきました。

 他にも直接的・間接的接合、臼歯と前歯の手術の違いなどを症例と共にご紹介いただきました。特に前歯部分の手術のケースは多く、参加者たちはさまざまな患者さんの症例を見て、その考えを深めることができました。患者さんの悩みを解決していこうとする青島先生の熱意ある講演は、クロージングへと向かうにつれてさらに参加者たちを惹きつけます。

 最後に結論として青島先生は、医師の技量にもよるが、最近は前歯の大きなケースも扱えるようになってきているとまとめられました。セラミックだと限りがある治療も、コンポジットレジン充填であれば、いつでも同じ材料で同じ状態にすることができるメリットがあると述べ、青島先生の講演は幕を閉じました。

 次に講演を行っていただいたのは、吉野歯科診療所、歯周病インプラントセンター理事長の吉野敏明先生です。吉野先生にはご自身の得意分野でもあります、歯周病について、「歯周治療の予後をマネジメントする~エビデンスに基づく原因除去、組織再建、そして機能回復の実践~」というタイトルでご講演いただきました。近年、歯の病気の中で深刻化しているのが、歯周病です。その歯周病というものの根本から具体例までをお話頂きました。

今、「歯周組織破壊はなんで起こるの?起こるとどうなるの?」という問いに、ほとんどの医師が答えられない現実があるそうです。知識はあっても、それを患者さんに伝えられなければ意味がなくなります。そこで、“何が いつ どこを どのように なぜ”を基盤にして、歯周病とはなんなのか、そしてどんな風に患者様に伝えたら良いのか、をわかりやすい形でご説明いただきました。また、プラークコントロールの必要性も、吉野先生らしい面白い例を使って語っていただきました。

 最後は患者様の症例を挙げながら、病原菌に対する抗体と治療方法をご紹介いただき、抗生物質をどのように使ったら良いかのお話でした。それは、抗体のないものに抗生物質を使うことで、病原菌を駆除することができるというものです。具体的な資料を用いて、時には動画も織り交ぜながらの紹介になりました。

 最後は、東京都港区の寺西歯科医院院長である寺西邦彦先生による、歯科補綴についてのセミナーです。補綴と一言でいってもその幅は非常に広いのですが、今回は端折ることなくほぼすべてをご説明頂きました。長丁場になったこのセミナーですが、時折参加者を楽しませるようなトークや、興味を惹きつけるようなコンテンツが功を奏し、飽きることなく盛況のうちに終わりました。

 この講演のキーワードとして寺西先生が挙げたのは“温故知新”。必要なことは古い考えの積み重ねであり、それがなければ、最先端の技術をつくることなどできない、と先生は強くおっしゃいました。

講演中使われていた症例は、どれも80年代から90年代前半のものばかり。参加者にとっては新鮮な写真もあったのではないでしょうか。最近ではほとんど見られなくなった治療方法から新しい技術への可能性を、寺西先生と共に見ていきました。特に、咬合異常や顎位の治療方法は症例を元に、深くお話頂きました。

全体を通して、歯科界の今と昔を感じることができた2時間となりました。また、話の端々に盛り込まれた先生の著書、「ビジュアル・セミナー臨床咬合入門」からの引用漫画は参加者たちの目を引き、アウトスタンディングなセミナーとなりました。