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SEMINAR REPORT

INFORMATION & SEMINAR REPORT

開催されたセミナーの詳細をお知らせします

『第2期 レギュラーコース 第2回』レポート更新しました。

 2012年8月。品川のMID-Gセミナー室にて開催された、『第二回レギュラーコース』には、多くの参加者が集まりました。テーマは、「インフォームド・コンセント~自由診療のために~」。10年前より広く知られるようになった「インフォームド・コンセント」を、さまざまな角度から語って頂きました。

 まず初めに、京都で二つのクリニックを経営されている、金平俊毅先生にお話を頂きました。金平先生は、MID-Gの理事の一人でもあり、独自の「インフォームド・コンセント」を自身のクリニックに取り入れていらっしゃいます。

 金平理事のクリニックは、いずれも保険診療を行っていない、自由診療のクリニックです。それを患者さんに浸透させるためには、いろいろな困難と壁があったそうです。しかし、「インフォームド・コンセント」、“知って頂く”という姿勢を続けてきたおかげで、自由診療のことをわかって足を運んでくれる患者さんが増えたと言います。
今回の講演のポイントは、ズバリ“知る”ということ。“知ってさえもらえれば認められる”という言葉が、参加者の耳にも残ったことと思います。

 セミナー後に行われた質疑応答では、荒井理事も積極的に質問に答えておりました。いろいろな質問が飛び交い、中では笑いを混ぜながらのシーンも見受けられました。患者様にいかにして自分の診療を伝えていくか、またどのくらいの患者様が自分の診療を知っているのか。熱く語る先生の姿が印象に残る講演となりました。

 次に、東京都の国立にクリニックを持っておられる、清水龍先生に講演して頂きました。清水先生もまた、MID-G理事としてご活躍頂いております。

 清水理事は、デンタルテン(Dental X)というソフトウェアツールを使って、患者さんにわかりやすく説明を行っています。そのデンタルテンの導入と、患者さんへの説明の仕方をお話して頂きました。

 デンタルテンの長所として先生は6つの長所を挙げられていました。診療後、デンタルテンは患者さん一人に対して平均15枚程度の冊子を作ります。それは、クリニックの理念や予約の方法から、診断に対する解説、汚れについて、金額まで多くの情報が載っている冊子です。
特に面白いのが、保険診療のクリニックなのに、自費診療の解説が載っているところです。参加者たちの中にも疑問を覚えた人がいたかもしれません。それはすべて、あらゆる選択肢があることの意味を含んだ「インフォームド・コンセント」に繋がっていきます。

 講演最後の質疑応答では、参加者たちと先生たちとのディスカッションのような形になり、自分の意見を次々と述べる参加者の姿が見受けられました。

 講演はまだまだ続きます。次は、栃木県で歯科医師をされておられる丹野祐子先生に、スタッフのコンサル教育と意識改革について講演頂きました。丹野先生の講演の中で注目すべきは、後半部分の、システムの導入から実践方法、スタッフの教育といった観点から、「インフォームド・コンセント」を説くというところです。

 講演半ばにはディスカッションを設け、参加者たちが数分間、与えられた議題について話し合い、それを発表するという形で話を進めていくスタイルが取り入れられました。

 丹野先生のクリニックでは、見積を出す練習をおこなったり、外部から講師を招いてセミナーをおこなったり等の取り組みもしているそうです。まだまだ未熟なTCたちをどのようにして導くのか、どのようにして士気を上げるのかを日々考えていらっしゃる様子がうかがえました。また、間に設けられた二度目のディスカッションでは、自費の患者と保険の患者の差別化を議題とし、短い時間の間で積極的に意見を出し合う参加者たちの姿がありました。

 講演の最後を飾ったのは、康本歯科クリニックの院長である、康本征史先生です。康本先生には、「インフォームド・コンセント」そのものを、患者さんと医師の関係を説きながらお話頂きました。数々の例を用いて、まるで糸を紡ぐように展開される話は、参加者たちをくぎ付けにした様子でした。およそ1時間半に渡って行われた先生のお話は、その長さを感じさせないものでした。

 医師は“説得と納得”という方法を駆使して、患者さんと向き合っていかなければならないと先生は言います。納得をさせるのは簡単ですが、説得はとても難しい、骨のある仕事だそうです。そもそも、説得する前の段階の患者さんの考えは、医師が思っている方向とは全く別の方向を向いているからです。それをうまく説得して、納得させることで、「インフォームド・コンセント」が成り立ち、医院も経営していくことができるのだと、先生はお話されました。

 終始繰り出される秀逸な例に、たびたび頷く参加者たちも見受けられ、さらに患者様とのかかわりについての考えが深まった講演となりました。